<< 2009-10-23食品安全情報blog・EFSAは食品中のヒ素を評価 | main | 日本郵政の社長人事が暗示する財政の「Xデー」 | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト >>

2009/10/24 土

相対的貧困率: 大竹文雄のブログ

相対的貧困率: 大竹文雄のブログ

 今回の公表では、グループ別の貧困率は、17歳以下の子どもの貧困率というものだけが公表されている。小原美紀さんと私が行った年齢別の貧困率の研究だと、5歳未満のグループの貧困率とその親の世代である30歳代の貧困率が近年上昇している。高齢者の貧困率は近年大きな変化がないが、高齢化の進行で貧困者に占める高齢者の比率は上昇傾向にある。逆に、5歳未満の子どもの貧困率は上昇しているが、少子化のために貧困者の中の子どもの比率が上がっているわけではない。ここに貧困問題の政治的な難しさがある。

 30代と5歳未満の貧困率の高まりの背景には、非正規雇用の上昇、離婚率の上昇などがある。正規社員の夫、専業主婦あるいはパートの妻という組み合わせから、非正規の夫、非正規の妻、非正規でシングルマザーという世帯が増えてきたのだと思う。戦後の伝統的な家族を前提に作られてきた日本の労働法制や社会保障制度が、現実の変化にうまく対応できていないことが根本的な問題だ。「男の非正規化」という現象は、何も労働市場の規制緩和が原因で発生しているのではない。技術革新やグローバル化がその背景にある。

Trackback URL


Comments

Comment form