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2014/06/08 日

(患者を生きる:2515)子に希望を 食物アレルギー:4 給食ノート、親子で確認:朝日新聞デジタル

(患者を生きる:2515)子に希望を 食物アレルギー:4 給食ノート、親子で確認:朝日新聞デジタル

 牛乳や小麦、卵、甲殻類――。2010年4月、大阪府大阪狭山市の市立北小学校に入学した田野ちなりさん(10)は、食物アレルギーで食べられないものがたくさんあった。

 給食だったが、弁当を持参していた。それでも、給食に出された牛乳などを誤って口にしたり、触れたりすれば、激しい全身症状のアナフィラキシーを起こす恐れもある。当時校長だった伯井正美さん(60)は母成美さん(38)に付き添いをお願いした。

 みんなが楽しそうにはしゃぐなか、配膳の列に並べず1人で席に座るちなりさん。「うちだけ何で並べんの?」。帰宅後、怒るちなりさんに、成美さんはこう言い聞かせた。「触れたらしんどくなるものがあるんよ」

 伯井さんや担任と相談し、弁当を給食の食器に移し替えて食べられるようにしてもらった。「みんなと同じように、できることはさせたい」という思いだった。

 市は同年秋、卵、乳製品、甲殻類について、主治医の診断に基づき保護者が申請すれば、代わりのメニュー(除去食)を出すことにした。かき玉汁には卵を入れないすまし汁、ヨーグルトサラダにはフルーツポンチ、マヨネーズを使わない塩味のポテトサラダなど。パンや牛乳は代わりの食品を家から持参してもよい、とした。

 ちなりさんは、みんなと一緒に給食を楽しめるようになった。

 成美さんは「給食連絡ノート」をつくった。学校が配る給食のメニューや使われている食品リストをそこに貼る。食べられるものは赤で○、食べられないものは×をつけて、毎朝親子で確認した。

 「何が食べられないのか、自分で判断できるように」。成美さんはノートにそんな願いを込めた。ちなりさんは学校で、給食の前にノートを見ながら担任と確認する。配膳の時間。「これはあかんねんな」。同級生もノートでチェックしてくれた。

 成美さんは付き添いをやめることにした。不安はあるが、一緒にいる時間が長くなれば甘えが出る。あるとき、床に牛乳をこぼして拭こうとした子たちが、ちなりさんに声をかけてくれた。「こっちに来なくていいよ」。友達も守ってくれる。そう思った。

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