農業情報研究所・EU 背骨をBSE特定危険部位とする牛の月齢を30ヵ月に引き上げ
引き上げを正当化する根拠は、2007年4月の欧州食品安全機関(EFSA)の意見*だという。この意見は、最新の実験結果とEU諸国におけるBSE発生状況やBSE防止対策を考慮、感染牛中枢神経組織の感染性は潜伏期の4分の3が過ぎたときから現われることを前提に、感染性は33ヵ月齢の牛では発見されないか、存在しないとしていた。
欧州委員会は、この意見が「33ヵ月までが安全限界と考えられる」と述べていると言うが、実際には、上記のとおり、「感染性は33ヵ月齢の牛では発見されないか、まだ不在であると予測できる」としていただけである。その上、実際には2000年以後に生まれた33ヵ月より若い牛の感染が1例だけとはいえ発見されていることや、異常プリオン蛋白質が発見されないことが組織に感染性がないことを保証するものではないという問題もあることを指摘しており、33ヵ月までなら安全と言っているわけではない。
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欧州委員会は、30ヵ月を最も実際的で、余裕をみた安全限界として提案した、これにより、農業者と食肉産業の競争力が強化され、EUで生み出されるSRM廃棄物の量が減り、処分のコストも減ると言う。本音は後者の方にありそうだ。>