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2012/12/24 月

時代の風:人口減国家の債務解消=仏経済学者・思想家、ジャック・アタリ- 毎日jp(毎日新聞)

時代の風:人口減国家の債務解消=仏経済学者・思想家、ジャック・アタリ- 毎日jp(毎日新聞)

(衆院選で勝利した)日本の自民党政権は2%のインフレターゲットを掲げている。歴史上、国家の債務を解消するには、増税、歳出削減、経済成長、低金利、インフレ、戦争、国外からの援助、デフォルトの八つの戦略がある。このうちインフレは歴史的にも非常に頻繁に使われる方法だ。インフレは債務を実質的に最小限に減額する効果が期待できるが、その分のツケを誰かに支払わせる。物価が上がる分だけ人々の購買力は低下する。金利が一定なら、貨幣価値が下がる分だけ公的債務の実質額が下がる半面、債権者、預金者は損をする。

 日本のような高齢化社会では高齢者が得をし、若い世代は損をし続ける。高齢者施設を訪問する政治家は多いが、保育園を訪問する政治家は少ない。乳幼児に投票権はないのだ。本来、高齢者は孫たちのことを思う祖父母のように行動しなければならない。
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 ただ注意しなければならないのは、もしインフレ政策に伴って金利が上がれば、全員が損をするということだ。金利上昇分だけ、政府が支払うべき債務も膨らむ。諸外国と違い、日本の公的債務の債権者はほとんどが日本人であるため、金利の抑制は他国よりは比較的容易だ。とはいえ、もし金利が上がれば、日本にとって致命的になる。インフレ政策で公的債務を解消するには、金利の上昇を防ぐことが何より重要だ。

 一方、債務の解消には経済成長も重要だ。だが公共事業の拡大は多額の公的債務を抱えた国には不適切だ。それをまかなう増税が前提となる。日本の場合、課税水準が低すぎるのは明らかで、例えば消費税率は欧州と同水準の20%前後が必要だ。
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 成長のために日本が取り得る政策は、欧州と同じように、技術革新の促進だ。未来につながる神経科学やナノサイエンス、ロボット、遺伝子関連、エネルギーなどで日本は世界をリードしている。今後、日本がやるべきことは簡単で、若い研究者を育てることだ。少子化が進めば、技術革新を進める研究者がいなくなってしまうかもしれないからだ。

2012/02/13 月

時代の風:世界文明フォーラム=防衛大学校長・五百旗頭真 - 毎日jp(毎日新聞)

時代の風:世界文明フォーラム=防衛大学校長・五百旗頭真 - 毎日jp(毎日新聞)

若くしてスウェーデンの財務相を務めたヌーデル氏に対して、なぜ25%もの間接税を課すことを政治と国民が受け入れたのか、高い税の下でなぜ高い経済成長ができるのか、人口減少が反転したのはなぜか、といった疑問が向けられたのは当然であろう。ヌーデル氏は、スウェーデンは小さい国であり、他国のモデルたり得ないと留保しつつも、公的部門の腐敗が少ないこと、オープンな議論を行って政治が社会的信頼を築いたこと、そのうえで政策内容として徹頭徹尾、人間に投資してきたことを強調した。子供を育てるための保育園に始まる教育施設を充実し無料化するだけでなく、社会全体が育児休暇を受け入れ、それを世代間の公正の証しとした。失業は個人の不幸であるだけでなく、社会の人材損失であるから、失業保険だけでなく再就職のための再教育に力を入れる。どこまでも人材重視である。研究開発への投資は、経済成長の要件であるとともに、将来世代を支える方策でもある。環境税は経済を損なうという議論もあったが、他国より高い成長を遂げており、これも世代間の公正にかなう。スウェーデンは小さい国ゆえに存立のため競争しなければならない、とすこぶる元気である。

2011/01/18 火

反射鏡:玉砕か、それとも政治文化大革命か=専門編集委員・倉重篤郎 - 毎日jp(毎日新聞)

反射鏡:玉砕か、それとも政治文化大革命か=専門編集委員・倉重篤郎 - 毎日jp(毎日新聞)

 しかし、消費税、TPPの2課題に取り組む、ということは、そういった政治文化に別れを告げることである。なぜならば、消費税増税は現役世代の生活水準を一律に落とすし、持続可能な社会保障制度改革とは、高齢者に対する年金、医療、介護の公費支給をシステム的に減らしていくことだ。TPPは成長政策として全体のパイを増やすのが狙いだが、地球的環境・資源制約と新興国の台頭によって、日本がどれだけプラスを得られるかは微妙である。むしろ、農業は保護・強化する過程で一部品目の淘汰(とうた)は避けられない。
 かくして、政治はマイナスの分配能力を鍛え上げなくてはならない。何よりも、プラスに慣れた国民にマイナスを納得させる説得力が欠かせない。いつ、何のために、どういうマイナスを分配するのか、明確な論と工程表が必要だ。マイナスをプラスと受け止めてもらうような新しい哲学、価値創出も重要だ。例えば、自分たちへの給付減が高齢者にとっては若者、次世代のためにむしろ望ましい、と思えるような環境作りである。

2010/08/05 木

年金積立金取り崩し案浮上 11年度予算編成 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

年金積立金取り崩し案浮上 11年度予算編成 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 政府の2011年度予算編成で、公的年金の受給者に給付される基礎年金の財源確保策として、約123兆円の年金積立金の一部を取り崩す案が浮上していることが4日、分かった。
 基礎年金は給付費約21兆円の2分の1を国庫(税)で負担しており、09、10年度は財政投融資特別会計の「埋蔵金」充当でしのいだが、11年度は不足の財源約2・5兆円捻出にめどが立っていないため。積立金取り崩しは年金財政の持続性に影響しかねず、予算案決定まで調整はもつれそうだ。
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 政府は、厚生年金と国民年金の積立金を最大2・5兆円取り崩し、国庫(一般会計)に貸す形にした上で財源をひねり出す案を検討。ただ将来、利子を付けて年金積立金に戻す必要がある。過去に貸した分さえ返ってきておらず、返済が実行されなければ年金財政に穴があくことになる。

2010/07/06 火

池田信夫 blog : 政府債務はいくらあるのか

池田信夫 blog : 政府債務はいくらあるのか

しかし政府の金融資産のうち、主なものは次の3つだ:
対外証券投資(主として米国債):110兆円
株式・出資金:99兆円
年金基金:200兆円
このうち、問題なく「埋蔵金」とみなせるのは、為替介入で買った1だけだ。2は特殊法人などに出資した資金で、その出資先を清算しないと返ってこないし、清算すると資産はかなり劣化している可能性が高い。3は債務返済に流用できないし、将来の給付を債務と考えると、年金基金は約500兆円の債務超過である。したがって実質的な純債務は1100兆円を超すが、年金債務を無視して1と2を862兆円から引いても、純債務は653兆円でGDP比1.29。これでも堂々たる先進国ワーストワンだ。
他方、個人金融資産から負債や株式・社債などを引いた純資産は924兆円。純債務との差(資産超過)は271兆円だから、今年の国債発行額44兆円(+金利)で割ると、あと6年で使い切る計算になる。

2010/07/06 火

記者の目:消費税 三つの“俗論”を排す=倉重篤郎(専門編集委員) - 毎日jp(毎日新聞)

記者の目:消費税 三つの“俗論”を排す=倉重篤郎(専門編集委員) - 毎日jp(毎日新聞)

小学生に選挙権を与えたらどうなるか。彼らなら、結果的に自分たちの世代に付け回しされる現行予算の過剰歳出・過小税収構造を改革しようとするかもしれない。

 政治の役割は格差是正にある。ただし、所得格差、地域間格差は利害当事者が互いに1票を行使し合えるが、世代間格差だけは、これから生まれてくる世代にまで思い入れしなければ解消しない。

 消費税を10%にしても、プラス5%の増収分が12・5兆円しかないから、計算の上ではまだまだ足りない。10%は腰だめ数字とか根拠レスと言われるが、取りあえず超減税状態を適正化する一歩としては、わかりやすい通過地点と受け止める。その意味で筆者は「適税」と呼ぶ。その増収余力、国際標準、景気への影響など、あらゆる観点から消費税しかない、と考える。

2009/10/24 土

相対的貧困率: 大竹文雄のブログ

相対的貧困率: 大竹文雄のブログ

 今回の公表では、グループ別の貧困率は、17歳以下の子どもの貧困率というものだけが公表されている。小原美紀さんと私が行った年齢別の貧困率の研究だと、5歳未満のグループの貧困率とその親の世代である30歳代の貧困率が近年上昇している。高齢者の貧困率は近年大きな変化がないが、高齢化の進行で貧困者に占める高齢者の比率は上昇傾向にある。逆に、5歳未満の子どもの貧困率は上昇しているが、少子化のために貧困者の中の子どもの比率が上がっているわけではない。ここに貧困問題の政治的な難しさがある。

 30代と5歳未満の貧困率の高まりの背景には、非正規雇用の上昇、離婚率の上昇などがある。正規社員の夫、専業主婦あるいはパートの妻という組み合わせから、非正規の夫、非正規の妻、非正規でシングルマザーという世帯が増えてきたのだと思う。戦後の伝統的な家族を前提に作られてきた日本の労働法制や社会保障制度が、現実の変化にうまく対応できていないことが根本的な問題だ。「男の非正規化」という現象は、何も労働市場の規制緩和が原因で発生しているのではない。技術革新やグローバル化がその背景にある。

2009/10/22 木

貧困率:日本15.7% 先進国で際立つ高水準 - 毎日jp(毎日新聞)

貧困率:日本15.7% 先進国で際立つ高水準 - 毎日jp(毎日新聞)

 長妻昭厚生労働相は20日、国民の貧困層の割合を示す指標である「相対的貧困率」が、06年時点で15.7%だったと発表した。日本政府として貧困率を算出したのは初めて。経済協力開発機構(OECD)が報告した03年のデータでは、日本は加盟30カ国中4番目に悪い27位の14.9%で状況は悪化している。日本の貧困が先進諸国で際立っていることが浮き彫りとなった。

 相対的貧困率は、国民の所得分布の中央値と比較して、半分に満たない国民の割合。今回はOECDの算出方法を踏襲した。06年の子供(17歳以下)の相対的貧困率も14.2%で、03年のOECDデータの13.7%(30カ国中19位)より悪化している。

 03年OECDデータで貧困率が最も高いのは、メキシコの18.4%で、トルコ17.5%、米国17.1%と続く。最も低いのはデンマークとスウェーデンの5.3%。

 長妻厚労相は「OECDの中でもワーストの範ちゅうに入っており、ナショナルミニマム(国が保障する最低限度の生活)と連動して考えたい。来年度から支給する子ども手当で貧困率がどう変化するかもシミュレーションしていく」と述べた。

2009/06/27 土

asahi.com(朝日新聞社):格差縮小が成長を促す - 経済気象台 - ビジネス・経済

asahi.com(朝日新聞社):格差縮小が成長を促す - 経済気象台 - ビジネス・経済

 通常、格差は分配の問題としてとらえられている。経済成長の成果配分が、技術革新、グローバル競争、税制、規制などによって偏った結果が、格差拡大の背景にあるとの指摘が多い。

 しかし、エコノミストの視点に立つと、格差拡大が、マクロ経済の成長力をそいできたのではないかということにも、強い関心を抱く。

 調べてみると、中間層の所得が全体に占める比率が低下すると個人消費が抑制されるという実証研究があるし、教育の強化など所得格差を縮小させる政策が、経済成長率を高めるという指摘もある。実際日本では、格差拡大トレンドの中で、中間層所得比率は趨勢(すうせい)的に低下しており、それが長引く消費低迷をもたらしている可能性がある。

2009/04/02 木

たった1%の賃下げが99%を幸せにする - 池田信夫 blog

たった1%の賃下げが99%を幸せにする - 池田信夫 blog

著者も書くように、橘木俊詔氏も樋口美雄氏も「非正規雇用の問題を解決するには年功賃金をやめる必要がある」という点では一致している。日本の解雇規制が強すぎることが非正規雇用の増加の原因になっているという事実は、政府機関であるOECDでさえ繰り返し指摘している。これは学問的には今さら論争するまでもない常識だが、労働経済学者はあまり発言しない。解雇規制を緩和しろというと「非人間的だ」とか「大企業の手先」などと罵倒されるから、もう懲りているのだ。
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