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2006/05/29 月

牛乳の消費低迷と有害論

毎日新聞(2006年5月2日)の記事。

少し前の夕方のニュース番組でも、牛乳の消費低迷問題を取り上げていました。インタビューした若い人たちは、異口同音に牛乳は飲まないと発言してました。飲むのはペットボトルのお茶類などが多い感じでしたね。 試作品のペットボトル牛乳だと、飲むのは抵抗ない感じでした。

・94年度の435万キロリットルをピークに減少傾向

・日本農乳業協会は、朝食など食事の際だけに飲まれる傾向が強い、 健康や美容に良いというイメージが弱まっていると分析する。学校給食での消費量が全体の1割を占酪めるため、 少子化の影響も大きい。

・健康面から豆乳や野菜ジュースを選ぶ

・ペットボトル容器で、 売り上げを大きく伸ばしたのは緑茶だ




 牛乳はかつては、カルシウム源で良質なタンパク質を含む栄養豊富な食品として、また最近では骨訴訟症予防に、高齢者にも勧められてきました。ところが、食生活の変化で、全般に脂肪の摂りすぎが指摘されるようになると、加工乳である低脂肪牛乳(ローファット)が生産され、次第に市場を増やし始めました。さらに、 牛乳よりも豆乳の方が、より健康的なイメージを拡大し始めました。同じお茶飲料でも、 抽出したカテキン成分を大量に含んだ「特保」製品が、健康的だと、より好まれるようです。



 この記事では触れられていないですが、「健康」指向の中で、牛乳有害論が、牛乳の消費低迷に影響を与えているように思えます。最近テレビなどで有名なのが、 消化器外科の権威である新谷弘実さんです。 確かに本屋行っても、何冊も著書が並んでいます。医者が書いた本の割には、 内容見てもずいぶん杜撰だなあという印象です。多分聞き書きか、 別のライターがまとめて、名前出して監修しただけなのではないかという感じです。 亡くなられた島田彰夫さん(伝統食)、 小児科医の真弓定夫さんなども、牛乳批判をされてきましたが、 消化器外科の権威である新谷弘実さんの肩書きが大きいので、影響力も大きいようです。

  「鬼の元薬剤部長の辛口薬事放談-おくすり千一夜」というサイトで、 ちょうど新谷弘実さんの記事を取り上げていたので、 紹介します。

・牛の乳は本来子牛のための飲み物である。人間より体温の高い動物の肉は血を汚す。「赤身の魚」 は新鮮なうちに食べるのがコツ。

植物性85%、動物性15%が理想の食事

・牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症になる

・牛乳や乳製品の摂取はアレルギー体質をつくる可能性が高いことが明らか

・第一の原因は、1960年代初めに始められた学校給食の牛乳にある

・最大の誤解は、牛乳が骨粗鬆症の予防に役立つ




 結局、科学的なデータや論文を引用して論じた部分は少なく、伝聞や自分の経験だけからの結論みたいです。 自分の食生活で、どうしてもカルシウムが不足気味だと思えば、牛乳を飲めばいいし、 牛乳が苦手だけど食物繊維が不足だなと思えば、腸内細菌によいと言われているヨーグルトを食べればいい。 牛や山羊などの草食の家畜は、本来、人間が食用にできない草を肉や乳に変換してくれる、有用な家畜なわけです。 人間の食料でもある穀類を大量に投与する、今の近代畜産のやり方自体が間違いであって、 きちんして生産された肉や乳を、小量いただくのは決して間違いではないと思います。きちんとしたデータ(裏付け)のない「食情報」に過剰に振り回されてはいけないということです。 これが高橋久仁子さんが言っている「フードファディズム」です。

 「伝統食」とか「伝統」という言葉。その伝統は、一体何時の時代から本当にあって、伝えられ来たのか。確かに、 乳牛と牛乳は、日本には無かったもので、明治以降に導入されたもので150年ほどの歴史。 日本の昔ながらの野菜も、元をたどればほとんどが外国産(中国伝来)。脱線ついでに、 日本を代表する花である桜のソメイヨシノ。 これは明治時代に作られた雑種。しかも挿し木でしか繁殖できない。 古来の桜というのは、当然山桜(「桜が創った”日本” ソメイヨシノ 起源への旅」岩波新書)。「伝統」という、曖昧な言葉の濫用は勧められない。

2006/05/19 金

沖縄を「エタノール特区」に

砂糖きびの廃蜜からバイオエネルギーとして、エタノールを作りだし、自動車のガソリンに混合して走行させる動き。

●沖縄を「エタノール特区」に 政府振興策

http://www.asahi.com/politics/update/0519/001.html



原油高騰で、バイオエネルギーへの評価が高まってきていますが、南米で砂糖きびやトウモロコシを大規模に生産する動きは、アマゾンなどの自然破壊にも繋がります。脱石油は大事なテーマだと思いますが、バイオエネルギーへの、過度の期待は禁物みたいです。



砂糖きびからのエタノール精製については、TV東京系の「ガイアの夜明け」で取り上げていました。アサヒビールが沖縄農試などと共同で、社内プロジェクトとして沖縄の伊江島で実験中。特長は、高収量品種を開発選抜し、砂糖をしぼり、その廃蜜を発酵させてエタノール化するもの。高収量品種開発と廃蜜利用が、他の国のエタノール化との違いでしょうが、沖縄の砂糖産業自体が斜陽で、集団化は難しい感じです。



ただ、沖縄の産業振興面で、土壌に合った砂糖きびは必要不可欠な作物だとも思うので、エタノール特区はうまく行ってほしいとも思います。多収穫品種の砂糖きびのモノカルチャーが、これ以上、地力の収奪にならないよう配慮も必要だと思います。



それから、辺野古沖への基地移転問題がありますが、基地問題と引き替えの、沖縄への経済特区や補助金という、政治的な構図だけは止めてほしい。

ガイアの夜明け(沖縄のエタノール)

アサヒビールのエタノール取り組み
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